近い将来に世界No.1の韓国に肉薄?!
韓国と日本の美容医市場比較
所長 石田 毅
世界で人口1000人当たりの整形手術件数が最も多い国・地域は「韓国」であることを、このほど米国の投資専門メディア「インサイダーモンキー」が公表した。国際美容整形外科学会の2021年のデータをもとに1人当たりの整形手術の割合が高い国を算出し、美容整形大国20傑を選んだ。
韓国は人口1000人当たり8.9件の整形手術を受けており、世界で最も整形手術を受けている人が多い国となった。2021年の韓国の人口が約5,174万人なので、約47万人が美容整形手術を受けている計算になる。
同メディアは韓国の2018年の美容整形市場規模が107億ドル(約1兆5825億円)に達し、世界の約25%を占めると紹介している。
一方、日本は1000人当たり2.13件で14 位。2021年の全人口が約1億2570人なので、約27万人が美容整形手術を受けていることになる。日本の美容医療市場規模(医療施設収入高ベース)は2019年が前年比102.3%の4,070億円。コロナ禍は若干の落ち込みを見せたものの、2020年は前年比102.3%の4,080億円となり、コロナ禍前の2019年の水準に回復する結果となっている。
仮に、韓国同様、日本人が人口1000人当たり8.9件の整形手術を受ける状況が生まれた場合、整形手術人口は約4倍になり、2020年の市場規模を前提に考えた場合、日本の市場規模は1兆6000億円前後になる。これは、2021年の韓国の市場規模とほぼ同じ大きさだ。
日本の総人口が韓国と比較して約2.4倍なので、市場規模は更に大きく、3兆円規模になるという皮算用は成り立つ。それほど可能性を秘めている市場とも言える。
東アジアの中では、韓国に次いで美容手術件数が多い日本は、コロナ禍後の動向を見ると、市場規模が右肩上がりになっており、今後もその傾向が継続されることが予想される。文化や価値観の違いなどがあるため、将来の日本市場が韓国同様のレベルまで大きくなるとは考えるのは早計であるが、それでも数値上の世界から見ても、韓国の美容医療業界にとって日本市場は潜在力があり、魅力的で、優先度の高いターゲット市場であることは間違いない。
CLINIC総研所長 石田のコメント
韓国が日本の美容医療市場を重要視しているであろうことの表れとして、2020年代に入ってから韓国の美容クリニックの日本進出が本格化していることが挙げられる。2021年に「ザプラス美容外科」「バウム美容外科」、2022年には「韓国みにょんクリニック」が。そして今年、アジア全体で12店舗を展開し、数ある韓国のクリニックのなかでも高い支持を得ている「リエンジャン美容クリニック」が、満を持して東京・新宿にオープンした。
韓国は美容医療の先進国であるため、国内での競争が激しく、その中で培った技術力、価格競争力を一つの強みとした日本市場での展開が想定されるが、より多くの日本人に受け入れられるための手段として、日本のクリニックとの提携などが実施されているが、このような「日本人の文化や価値観に合わせたサービス提供」が今後の課題であると共に、そのような取り組みが増えていくことが予想される。


Contact
お問い合わせ
お問い合わせフォームをご利用の際は、必ず「プライバシーポリシー」をご一読ください。
内容に同意していただけましたら、下記フォーム内必須事項 [ * ] にご入力頂き、「入力内容確認画面へ」ボタンをクリックしてください。なお、お問い合わせの内容によっては、ご返答が遅れる場合がございます。ご了承ください。