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Beauty clinic

美容クリニック総研

銀座美容クリニック開業のトレンドと市場成長の謎を解く

最終更新日:2025/12/5

著者:

所長 石田 毅

導入文 中国人、とりわけ中国人富裕層の中で、日本への医療ツーリズムに高い将来性があると言われています。
では、中国人富裕層が、わざわざ日本に医療観光に来る理由とは何でしょう?
その理由は、中国と日本の医療システムを比較してみることで明らかになります。そこにはいくつかの重要な違いが存在します。
中国では、病院の数が慢性的に不足しており、特に地方では医療レベルに大きな差が存在しています。この差は都市部と地方の医療サービスの質において顕著で、高い医療を求める人々が都市の病院へと集まることで、大混雑を引き起こしています。
さらに、中国の医療体制では歩合制が導入されている場合があり、医療費が非常に高額になる傾向があります。


国内の47都道府県の中で美容クリニック件数が最も多いのが東京都。その中で最もクリニックの店舗数が多いのが銀座エリア。


その銀座エリアでの美容クリニックの出店数推移と全国単位の美容医療市場売上の推移を比較した際に、気になる共通点と相違点があり、不思議に感じたので、今回はその「謎」を読み解いてみたいと思います。



まずは「銀座」の2019年から2023年まで5年間の店舗数推移を調査してみました。


※美容Clinic総研調べ

2024年8月現在で「開業年」が把握できたクリニック144店舗が対象

前年比の数値は2019年のみ2017年の数値との比較


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続いて、日本全国の美容医療の市場規模推移を表したものです。


※出典:美容医療市場に関する調査を実施 2024年(株式会社矢野経済研究所)

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3570

前年比の数値は2019年のみ2017年の数値との比較


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この2つのグラフを比較して見た時に気になったのが2020年の数値。2020年以外の年は、店舗数と売上規模のそれぞれの推移と前年比の数値がほぼ同じように動きであるにも関わらず、2020年だけが店舗数と売上規模で不一致が見られます。

この5年間は言わずもがなですが、パンデミック(コロナウィルス)に多大な影響を受けた期間です。一般的にパンデミック(コロナ禍)は2020年の4月の緊急事態宣言から2023年5月の5類移行までの約3年間と考えられます。

この同じパンデミック期間で2020年の両者の数字にだけなぜこのような違いが出たのでしょうか?その理由を仮説を含めて解き明かしていきたいと思います。



<クリニック件数増加の理由>

2020年にパンデミックが始まり、売上が減少が予測できる状態でもクリニックの件数が増加した理由としては以下の要因が考えられます。


1. タイムラグ効果

新規開業の計画は通常、数年前から進められます。2020年に開業したクリニックは、パンデミックの影響が予測できない時点で計画が進んでいたため、予定通り開業せざるを得なかったクリニックの割合が多かったことが予想されます。


2. 見切り発進

2020年前半の段階ではコロナウィルスが何モノで、どれくらい続くか皆目検討がつかなかったため、遠からず収まるだろうと踏んで、開業を遅らせることができたとしても、見切り発車的に開業されたクリニックも多かったことが考えられます。



<売上減少の理由>

店舗件数は前年比増となりましたが、売上はほぼ横ばいとなりました。その要因として以下のことが考えられます。


1. パンデミック初期の不確実性と消費者行動の変化

2020年初頭、新型コロナウイルスが急速に拡大し、人々の間で不安が高まりました。この不確実性から、不要不急の支出を控える動きが広がり、美容医療のような「生活必需品ではない」サービスの需要が一時的に低下した可能性があります。


2. 外出自粛とリモートワークの普及

美容医療を受ける理由として多いのが「見た目の改善」ですが、リモートワークや外出自粛の影響で、人と直接会う機会が減少し、美容医療への関心が一時的に薄れた可能性があります。


3. 営業開始の遅延

コロナの影響で、クリニックが完成した後に予定通りのスケジュールで営業開始できなかったケースも考えられます。その結果、2020年に開業したものの、実際に運営が本格化したのは年後半や翌年にずれ込み、年間を通しての売上には反映されにくかった可能性があります。



2020年はパンデミックの初年であり、未曾有の混乱期だったため、前述のような店舗件数と売上規模の推移に不一致が出たのではないでしょうか。




CLINIC総研所長 石田のコメント



2020年は店舗件数と売上規模推移に不一致があったものの、パンデミックが継続する2021年以降にはこの二つの推移が一致するようになる。ここではこの「一致」の理由を探っていきたい。


1. コロナ禍における新たなニーズの発生