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KUSAMA Kahoru Clinic

院長 草間 香 様

医療法人社団 香明会 草間かほるクリニック

https://www.kahoru-kk.com/
東京都港区白金台3-16-16



医療法人社団 香明会 草間かほるクリニック

草間 香 院長


古民家? 森の中の山小屋?

そんな、クリニックらしくないクリニックをつくりました。


長年にわたり、大腸肛門外科の分野で医療に携わってきた草間かおる院長。今回の移転を機に、クリニックのリニューアルを決意しました。


「せっかくなら、空間デザインにもこだわってみよう」


「患者さんファーストのクリニック空間をつくろう」


そんな思いから、今回のリニューアルに至ったそうです。


診療科目の特殊性に合ったクリニックを、どうデザインするのか。デザイナーとの密な対話を重ねながら生み出されたクリニック空間は、譲れる部分と譲れない部分のせめぎ合いの中で完成しました。

こうして誕生した「草間かおるクリニック」の新たな章は、クリニックらしくない要素が詰まった、有機的で個性的、そして心安らぐクリニックとなりました。



肛門外科医としての道のりと再出発


私が医師を志したのは、父が医師だったことが大きく影響しています。幼少期から父の働く姿を見て育ち、ときには掃除やゴミ捨てといった簡単な手伝いをすることもありました。そんな環境の中で、医師の道を選び、開業医として働くことは、ある意味で自然な流れだったのかもしれません。


大学では消化器外科を専攻し、外科医としての道を歩み始めました。当時、女性の外科医は非常に少なく、特に大学病院や総合病院では、女性が長くキャリアを続けることが難しい状況でした。結婚や妊娠、出産といったライフイベントがキャリアに影響を与えることもあり、女性外科医の求人自体も限られていたのだと思います。



そうした中で、私が肛門外科を専門に選んだのは、当時の指導医の助言がきっかけでした。その先生も肛門外科を専門としており、「女性が外科医として長く続けるなら、肛門外科がよいのではないか」と勧めてくださいました。私自身もその分野に関心を持ち、勤務医として経験を積んだのち、自らの理念や診療方針を形にしたいと考え、開業を決意しました。


2007年に『草間かほるクリニック』を開業して以来、17年間、患者さんと向き合い続けてきました。開業当初は、「開業医は孤独だよ」と言われることも多かったですが、実際には、患者さんの存在やスタッフの支えがあったからこそ、この道を歩み続けることができたと感じています。


しかし、最近、大きな転機を迎えました。長年構えていたクリニックの物件が、貸主との契約満了により更新できなくなったのです。その事実を受け入れるには少し時間がかかりましたが、多くの患者さんがいる以上、診療を止めるわけにはいきません。気持ちを切り替え、新たなスタートを決意しました。



今回、新たなクリニックの場所として選んだのは、知人の眼科クリニックだった物件です。その眼科が閉院することを知り、広さ、使い勝手、立地の良さを考慮し、この場所に決めました。前のクリニックから2駅ほど離れていますが、通院のしやすさは変わらず、むしろこれまで以上に患者さんが利用しやすい環境を整えたいと考えています。


温かみと清潔感のある新たなクリニック空間に


今回の内装工事は、ユニオンテックさんに依頼しました。紹介を通じて知り合い、他にも二社ほど見積もりを取りましたが、ユニオンテックさんが圧倒的にコスト面で優れていました。そこで、予算をある程度設定し、その範囲内でデザインを進めてもらうことにしました。


移転を機に、クリニックの空間イメージを一新したいと考えました。これまでのクリニックは、白を基調としたシンプルなデザインでした。開業当初はまだ若く、デザインについての知識もあまりなかったため、無難な選択をした結果でした。しかし、17年が経ち、自分自身も歳を重ねたことで、今回は温かみのある空間をつくりたいと考えました。



具体的には、森の中の一軒家や山小屋のような雰囲気をイメージしていました。デザイナーさんにその希望を伝えたところ、「クリニックなのに山小屋?」と少し驚かれたかもしれません。特に若いデザイナーさんは、洗練されたモダンなデザインを目指すことが多いため、私のリクエストはかなり異色に映ったのではないかと思います。


ただし、衛生面を考慮すると本物の古木を使用するのは難しく、古木調のクロスや塩ビタイルを提案してもらいました。最近の建材は非常に精巧で、仕上がりを見て改めて驚かされました。天井にまで木目を取り入れるのは少し挑戦でしたが、デザイナーさんにCGでシミュレーションを作成してもらい、完成形をイメージしながら決めていきました。結果的に、温かみのある統一感が生まれ、満足のいく仕上がりになりました。



待合スペースには、森をイメージした落ち着いたグリーンのソファを配置しました。受付上部には、オープンになりすぎないよう横ルーバーを取り付けていて、見た目にも柔らかい印象です。



前処置スペースにはカウンターテーブルを設置し、床には爽やかな水色を基調とした可愛らしい模様を取り入れました。エントランスの山小屋風デザインから、前処置スペースが湖やオアシスのようなイメージへとつながるよう、空間のストーリー性を意識しました。

古木柄のクロスを使用したことは、デザイン性だけでなく、汚れが目立ちにくいという点でも大きな利点がありました。私は清掃には非常に厳しく、院内を清潔に保つことを常に心がけています。診療内容の特性上、トイレの数も多く必要で、それらの清掃も徹底しています。スタッフにも「トイレで食事ができるほどの清潔さを保つこと」をモットーとして伝えています。



また、院内全体のデザインにおいても、できる限りコーナーの「角」をなくし、丸みを持たせるようにしました。角のないデザインは、空間に優しさを与えるだけでなく、清掃のしやすさにも貢献します。細部にまでこだわり、患者さんにとって温かく落ち着ける空間づくりを目指しました。


理想の空間をつくるための密なやりとりに感謝

処置室や手術室は、清潔感を最優先にし、シンプルなデザインに仕上げています。また、各部屋の扉には軽やかな木目調の素材を使用し、部屋のサインの文字にも木目を取り入れています。黒い文字では堅苦しい印象になりがちですが、木目を選ぶことで温かみのある柔らかい雰囲気を演出しました。診察室も、エントランスの雰囲気と統一し、木目を基調としたデザインにしています。



クリニック全体の構成についても、診療科目の特性上、プライバシーを最優先に考えた動線を設計しました。こうした配慮は当たり前のように思われがちですが、設計段階での細やかな工夫が求められます。


以前のクリニックを施工した際は、まだ若く、デザインの多くを施工会社さんにお任せしていました。しかし今回は、細部にまでこだわりたいと考え、ユニオンテックさんと綿密に打ち合わせを行いました。診療を続けながらの移転準備だったため、時間的な余裕はほとんどなく、診療後の夜遅くに、ユニオンテックさんからの確認事項に目を通し、ネットで内装のアイデアを探し、「こういったデザインは可能ですか?」と提案しながら、細かなやりとりを重ねました。



特に印象的だったのは、夜遅くのやりとりでも、ユニオンテックさんが迅速にレスポンスしてくださったことです。例えば、「この材料でこのデザインは可能か?」といった具体的な質問にも即座に返答をいただき、診療後にはわざわざ足を運んでくださることもありました。そのような対応には本当に助けられました。


今回の施工では、あらかじめ予算を決め、その範囲内でデザインを調整していきました。そのため、限られた条件の中で多くのやりとりを重ね、ユニオンテックさんには無理をお願いした部分もあったと思います。それでも、私自身、前回の経験を活かし、譲れる部分と譲れない部分を明確にしながら進められたのは大きかったですね。例えば、天井に採用した古木風クロスのように、少し挑戦的なデザインであっても、譲れない部分としてしっかり実現してもらいました。



今回のクリニックづくりでは、前回よりも多くの知識を得た上で臨んだため、細部にまでこだわることができました。その結果、ユニオンテックさんとの共同作業を通じて、私が思い描いていた「温かみ」と「清潔感」を兼ね備えた空間が完成したと実感しています。仕上がりを見て、「本当に理想通りの空間ができた」と実感できたのは、何度もやりとりを重ねた成果だと思います。


新たなスタートと、これからの診療への想い



これまで17年間、麻布十番で診療を続けてきましたが、今回の移転を機に、新たなスタートを切ることとなりました。新しいクリニックは白金台にあり、以前の場所から2駅ほど離れています。距離としてはさほど遠くありませんが、地元の患者さんの中には高齢の方も多くいらっしゃるため、通院が難しくなるケースがあることに心苦しさを感じています。それでも、「これからも通い続けます」という温かい言葉をいただくことが多く、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。その信頼に応えるために、今後もよりきめ細やかな診療を心がけていきたいと考えています。


肛門に関するお悩みは、実は2人に1人、あるいは3人に1人が抱えていると言われるほど、身近な問題です。しかし、デリケートな部位であるがゆえに、なかなか人に相談できず、治療を受けるまでに時間がかかる方が多いのも現実です。こうした現状を踏まえ、当クリニックでは「相談しやすさ」と「安心感」を最優先に考えた環境づくりを心がけています。



スタッフは全員女性で、肛門に関する診断から日帰り手術まで幅広く対応しています。また、大腸や胃の内視鏡検査や治療も行い、患者さんの全身をトータルに診ることを大切にしています。診療で最も重視しているのは、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合い、わかりやすく説明することです。初診時には緊張や不安を抱える患者さんが多いため、少しでも安心していただけるよう、スタッフ全員でサポートしています。


今回の移転とリニューアルを通じて、改めて患者さんと向き合う姿勢を再確認しました。肛門外科という領域は、患者さんが抱える悩みが深いからこそ、治療後の喜びも大きいものです。その瞬間に立ち会えることが、私のやりがいにつながっています。「相談してよかった」「もっと早く来ればよかった」という患者さんの声をいただくたびに、この仕事の意義を強く実感します。


新たなクリニックでは、これまで以上に温かみのある空間で、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を提供していきます。どんなに小さなお悩みでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談にいらしてください。これからも皆さまの健康を支える存在であり続けられるよう、日々精進してまいります。

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